小さな違和感から始まったおとんの認知症|家族の4年半と予防のヒント

「MCI」と言われたあの日から
今から4〜5年前、おとんは「MCI(軽度認知障害)」という診断を受けました。
医師からは、「これ以上進むと“認知症”になる可能性がある」と説明されましたが、当時はまだ日常生活に大きな支障もなく、「少し物忘れが増えたかな」くらいの感覚でした。
だから正直、私たち家族、そして本人もどこかで「大丈夫だろう」と思っていました。
けれど、あれから約4年半。おとんは今年、「認知症」と診断されました。
小さな違和感は、少しずつ積み重なっていた
今思えば、サインは少しずつ出ていたのです。
- 急にキレやすくなり、暴言を吐くようになった
- 道がわからなくなったり、混乱することが増えた
- 去年まで当たり前にできていたことが、できなくなった
一番印象的だったのは今年の健康診断のこと。
おとんは毎年欠かさず予約を取り、意地でも受けに行くタイプでした。
それが今年は、予約まではしたのに当日行けず、結局受けずじまい。

こんなことは今まで一度もなかったので、「あれ?」という違和感が強く残りました。
認知症の始まりは、ドラマのような劇的な変化ではなく、本当に小さな“ズレ”の積み重ねです。
後から振り返ると、「あの時がそうだったのかもしれない」と気づくような出来事ばかりです。
思い当たる「リスク要因」
振り返ると、おとんの生活には認知症のリスクとされる要因がいくつもありました。
👂 難聴:補聴器をつけていたけれど、実際にはあまり聞こえていなかった
🍬 糖尿病:薬で数値はある程度コントロールしていたが、血管へのダメージは蓄積していた可能性も
🍶 アルコール:若い頃から70代半ばまで、毎日少量の飲酒を続けていた
🚶♂️ 運動不足:1日1万歩を歩く日も多く、高齢者としてはよく動いていたが、それでも脳への刺激としては不十分だったのかもしれない
🪤 頭部外傷:この夏、転倒して頭を打ってから、症状が進んだように感じている(医師は「関係ない」との見解)
イギリスの医学誌 Lancet によると、難聴・糖尿病・アルコール・運動不足・頭部外傷はいずれも「予防できる12のリスク要因」に含まれています。
生活の中に潜む小さな習慣が、時間をかけて脳に影響していたのかもしれません。
「戻らない」と言われても、「できること」はある
「認知症は一度進行すると元には戻らない」と言われたとき、やっぱりショックでした。
でも、同じ Lancet の報告では、リスク要因を改善することで最大40%は予防・遅延が可能とも言われています。
「もう遅い」と思うより、「今できることは何か」を考えることが大切なんだと思うようになりました。
補聴器や耳のチェックを見直す(実際に補聴器を新調したらすごく聞こえるようになりました)
血糖値だけでなく「血管の健康」にも目を向ける
飲酒習慣を見直す
転倒防止対策を整える
会話や外出、趣味など“脳の刺激”を増やす
おとんの「今」と丁寧に向き合うことが、これからの暮らしを守る第一歩だと感じています。
家族として伝えたいこと

小さな違和感は、振り返るとすべて“サイン”でした。
「年のせいかな」と思っていたことが、実は大切なメッセージだったのかもしれません。
もし、あなたの大切な人にも「最近ちょっと違うな」と感じる瞬間があるなら、どうかその直感を見過ごさないでほしいです。
「元には戻らない」と言われても、「進みを遅らせること」はできます。
そして、“今のおとん”と向き合う時間を大切にすることで、家族の心のあり方も少しずつ変わっていきます。
私たちも、これからもおとんと共に、今できることをひとつずつ積み重ねていこうと思います。
こんなきれいごとばかりではないですけどね(笑)
元々のおとんへの苦々しい感情もあり、本気で頭にくることも多いです。
むずかしいですね、家族って。